[ 政治・経済 ]
(2017/2/9 17:30)
安倍晋三首相は9日夜、トランプ米大統領と初の首脳会談を行うため、羽田発の政府専用機でワシントンに向け出発する。会談は通商政策が主要テーマになる見通しで、米国の貿易赤字削減や国内雇用拡大を重視するトランプ氏の出方が焦点となる。首相は官民による対米貢献をアピールし、双方に利益となる形での経済関係強化を呼び掛ける。両政府は、経済、安全保障両面での日米同盟の深化を盛り込んだ共同文書を会談後に発表する方向で調整に入った。
首脳会談は10日午後(日本時間11日未明)にホワイトハウスで約45分間行われる予定。トランプ氏が日本の自動車市場や為替政策を批判したことを踏まえ、首相は会談に同席する麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領をトップとする閣僚級協議の設置を提案。この場で経済・通商政策や日米共同のインフラ整備事業などについて話し合うことを求める見通しだ。
安全保障分野では、首相は日本としても防衛力整備に努める方針を伝え、日米同盟の抑止力と対処力の強化で一致したい考え。政府関係者によると、中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島について、米国の対日防衛義務を定める日米安保条約第5条の適用対象に含まれることをトランプ氏との間でも確認する方向で調整している。
両首脳は会談後に共同記者会見に臨み、昼食を共にしながらさらに約50分間会談。その後、トランプ氏の別荘があるフロリダ州パームビーチに大統領専用機「エアフォースワン」に同乗して移動する。機中でも会談が行われるとみられる。日本の首相がエアフォースワンに乗るのは2006年の小泉純一郎氏以来。
11日は共通の趣味であるゴルフを楽しむ予定で、両首脳は丸2日近くを一緒に過ごす。日米首脳が一緒にゴルフをするのは、外務省が確認した限り、安倍氏の祖父である岸信介首相とアイゼンハワー大統領が1957年にプレーして以来60年ぶりという。首相は13日に帰国する。(時事)
(2017/2/9 17:30)