[ 政治・経済 ]
(2017/3/5 14:00)
【北京時事】中国の第12期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第5回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。李克強首相は冒頭の政府活動報告で、2017年の経済成長率の目標を6・5%前後に引き下げた。引き下げは3年連続。習近平国家主席(共産党総書記)は2期目の最高指導部人事を決める5年に1度の党大会を秋に控え、安定成長の下で構造改革を目指す。
李首相は昨年10月、習氏が「党中央の核心」と位置付けられたことに触れ、「党と国の繁栄を保証する上で極めて重要な意義を持つ」と強調。その上で「習同志を核心とする党中央を中心に一層緊密に団結する」と述べ、党大会に向け、習氏の下での結束を呼び掛けた。
昨年の全人代冒頭では、習氏と李氏が会話や握手を交わすことはなかった。今年も握手はなかったが、二人の表情は穏やかで、散会後は談笑して席を立った。経済政策などをめぐる確執もうわさされたが、李氏が習氏に従う姿を内外に印象付けた。
16年の成長率は6・7%で、目標の6・5~7・0%の範囲内に収まったものの、1990年以来、26年ぶりの低い伸びに減速した。習指導部は20年までに国内総生産(GDP)と所得を10年比で倍増させる公約を掲げており、成長率を年平均6・5%以上に保つ必要がある。李首相は今年の目標に関し、「より良い結果を得るよう努める」と訴えた。
一方、台湾と香港については「台湾を祖国から切り離そうとする者は決して許さない」「『香港独立』に前途はない」と警告した。
国防予算案は前年実績比7%前後の増加で、初めて1兆元(約16兆5000億円)の大台を突破する。ただ現時点では具体的な額は公表されていない。
今年の経済政策は雇用不安回避に重点を置いた。李首相は「安定成長の重要な目的は雇用の確保と民生の改善にある」と説明。「今年は雇用情勢が厳しさを増す」との見通しを述べ、積極的な雇用政策を展開する方針を示した。
(2017/3/5 14:00)