[ 金融・商況 ]
(2017/7/11 11:30)
インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」取引所のコイン大量消失事件をめぐり、業務上横領などの罪に問われた運営会社「MTGOX(マウント・ゴックス)」(破産手続き中)元代表マルク・カルプレス被告(32)の初公判が11日、東京地裁(入江猛裁判長)で開かれた。同被告は無罪を主張して全面的に争う見通し。
起訴状によると、同被告は2013年、取引システム内のデータを改ざんし、個人用の米ドル口座残高を水増ししたほか、顧客から預かった現金を自分の口座などに送金して計約3億4100万円を横領。ソフトウエアの開発権取得や高級ベッドの購入費用に充てたとされる。
これに対し弁護側は、資金の移動は正当な貸し付けだったなどとして無罪を主張する方針だ。
MTGOX社は11年に設立され、取引量は世界の7割を占めたが14年に経営破綻。負債総額は約65億円で、当時顧客は約12万人いたとされる。
同社は破綻時の記者会見で、当時のレートで470億円相当のビットコインがサイバー攻撃で消失したと説明していた。
弁護人によると、カルプレス被告は16年の保釈後、知人から紹介されたソフトウエア開発の仕事などで生活費を得ているという。
【ビットコイン】インターネット上で流通し決済に利用できる仮想通貨の一つ。利用者が円やドルなどでコインを購入すると、ネット上の口座に保管され、取引所を通じて売買もできる。2010年に最初の取引所ができ、時価総額は約4兆8000億円で最大。仮想通貨は、国が発行する法定通貨と異なり特定の発行者がいないのが特徴で、海外送金の手数料が安いなどのメリットがある半面、匿名性が高くマネーロンダリングに使われる懸念も指摘される。(時事)
(2017/7/11 11:30)