- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2017/7/17 05:00)
物質・材料研究機構の岡本章玄主任研究員と橋本和仁理事長、東京大学大学院の徳納吉秀大学院生らは、微生物燃料電池などに用いる「発電菌」が発酵反応によって発電していることを発見した。促進剤を加えることで発電量が1―2ケタ向上した。発酵は食料やバイオプラスチックなどに使われ、既存の生産技術が豊富にある。発電しながら物質を生産するなど、環境調和型の物質生産技術の確立を目指す。
発電菌の発酵関連酵素を欠損させると、発電量が半減することを確認した。また発酵反応では水素イオンが菌の内部から外に排出される。水素を重水素に置き換えると発電速度が低下し、水素イオンの移動が発電反応のカギとなっていることを突き止めた。
そこで水素イオンなどの移動を媒介する「フラビンアデニンジヌクレオチド」を添加すると発電速度が1―2ケタ向上した。従来は発電菌は呼吸反応で発電すると考えられてきた。
大腸菌に発酵発電機能を移植すると、発酵反応で化学物質を生産しながら発電することが可能になる。
(2017/7/17 05:00)