[ 政治・経済 ]
(2017/8/15 07:00)
【ワシントン時事】トランプ米大統領は14日、中国が米企業の知的財産権を侵害している疑いがあるとして、米通商法301条に基づく調査を検討するよう通商代表部(USTR)に指示した。不公正な貿易慣行があると判断すれば、関税引き上げなどの制裁を発動できる。中国に北朝鮮の核・ミサイル開発問題への対応を促す狙いがあるとみられる。
トランプ氏は指示に当たり「これは始まりにすぎない」と語り、強硬策を辞さない構えを示した。中国が反発するのは必至だ。
トランプ氏は、米企業が中国進出時に技術移転を強制され、知財を盗まれていると指摘。USTRに通商法301条の適用を視野に入れ、「あらゆる権限を検討する」よう求めた。
301条では、調査で不公正と認定後、是正協議を求め、解決しなければ一方的な制裁措置を科せる。トランプ氏は北朝鮮問題での中国の対応に不満を募らせており、経済面の圧力で打開を図るとみられる。
ただ、1995年に発足した世界貿易機関(WTO)は一方的制裁を認めておらず、トランプ政権が制裁に踏み切れば、各国の反発を招く可能性が高い。米政府は今回、301条適用を慎重に検討する手続きを採用し、中国の反応を見極める意向だ。
(2017/8/15 07:00)