- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/28 14:00)
太陽重力で軌道変更、時速15万キロ超で遠ざかる
太陽系外から飛来したとみられる小惑星か彗星(すいせい)を発見したと、米ハワイ大天文学研究所が27日までに発表した。今後の観測で確認されれば初めての例となる。太陽系惑星の円盤のような軌道に対し、ほぼ真上から飛来して9月9日に太陽に最接近し、はじき飛ばされるようにして遠ざかりつつあるという。
太陽系外からの小惑星か彗星軌道(時事)
この小惑星か彗星は直径400メートル未満で、仮称「A/201 U1」と名付けられた。地球に衝突しかねない小惑星を探索、監視している同研究所のパンスターズ望遠鏡で10月19日に見つかったが、地球などの惑星には接近しなかった。
観測記録をさかのぼったところ、こと座の方向から時速約9万1800キロの超高速で飛来。太陽最接近時に太陽の強い重力の影響で軌道を鋭角に変え、時速約15万8400キロに加速してペガスス座の方向へ遠ざかりつつあることが分かった。再び飛来することはない見込み。
恒星の周りを取り巻くちりやガスから惑星が形成される過程では、小惑星などの衝突や接近が起き、はじき飛ばされることがあると考えられている。太陽に近い別の恒星でこのような現象が起き、飛ばされた小惑星などが太陽系に飛来することが予想されていたが、これまで観測された例はなかった。(時事)
(2017/10/28 14:00)