[ ICT ]
(2017/12/5 19:30)
NEDOへの実績報告書 事業費を上限まで水増しか
経済産業省が所管する法人から助成金をだまし取ったとして、東京地検特捜部は5日、詐欺容疑で、スーパーコンピューターの開発を行うベンチャー企業「PEZY Computing」の社長斉藤元章容疑者(49)=東京都千代田区=ら2人を逮捕した。
他に逮捕されたのは、同社の事業開発部長だった鈴木大介容疑者(47)=同=。特捜部は2人の認否を明らかにしていない。
特捜部は同日、千代田区の同社本社など関係先を家宅捜索した。上限の5億円近くまで助成金を受け取れるように事業費用を数億円水増しした疑いがあり、押収資料を分析して実態解明を進める。
逮捕容疑は2014年2月、ベンチャー企業への助成事業を実施する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に対し、事業費用を約7億7300万円まで水増しした実績報告書を提出。助成金を約4億9900万円と確定させた上で、報告書提出前の既払い分を除く約4億3100万円をだまし取った疑い。
10年に設立されたPEZY社などは今年10月、世界トップクラスの省エネ性能を誇るスーパーコンピューターを開発したと発表し、注目を集めた。同社は10年以降、他に4件の事業でNEDOから計約30億円の助成金交付が決まっており、特捜部は不正がなかったか調べる。
斉藤容疑者は新潟県生まれで、新潟大医学部卒業後に東京大大学院医学系研究科修了。これまでに複数のベンチャー企業を創業してきた。
≪NEDOの話≫ 捜査に全面的に協力し事実の確認に努める(時事)
「PEZY」社に家宅捜索
スーパーコンピューターの開発を行うベンチャー企業「PEZY Computing(ペジーコンピューティング)」には、東京地検特捜部の係官ら約20人が5日午前10時20分ごろから家宅捜索に入った。
同社の本社が入る東京都千代田区のオフィスビルには、早朝から約30人の報道陣が集まった。
5人前後に分かれた係官らが、カメラのフラッシュを浴びながら次々とビルに入ると、周囲は騒然とした雰囲気に包まれた。(時事)
(2017/12/5 19:30)