[ 政治・経済 ]
(2017/12/9 05:00)
政府は8日、「生産性革命」と「人づくり革命」を柱とした2兆円規模の「経済政策パッケージ」を閣議決定した。二つの革命により懸案の少子化対策を加速し、持続的な経済成長の実現を目指す。生産性革命は2018-20年度の3年間を集中投資期間と位置づけ、最終年度の20年度までに16年度比で設備投資を10%増に、賃上げも3%以上の継続を目指す。人づくり革命は保育・幼児教育の無償化を20年度から全面実施する。
2兆円の財源は19年10月の消費増税で1兆7000億円を賄い、残る3000億円は企業が負担する。
政府は生産性革命で掲げた目標達成に向け、賃上げや設備投資に積極的な企業を対象に法人税の実質的な負担率を引き下げる。中でも革新的な分野への設備投資を実施した企業は、同負担率を20%程度とする。現在、日本の法人実効税率は29%台、経済協力開発機構(OECD)平均は25%程度で、国際競争力を引き上げる。
中小企業への支援も強化。団塊世代経営者の引退が集中する今後10年間に限り、事業承継税制で特例措置を講じる。相続税の納税を猶予する要件の大幅緩和などを進める。
第4次産業革命を支える自動走行や小型無人機の実証実験を円滑に行えるよう、従来の特区より規制が緩い「サンドボックス制度」創設の関連法案を18年1月召集の通常国会に提出する。
一方、人づくり革命では全世帯の3-5歳児の幼稚園、保育所、認可こども園の費用や、住民税非課税世帯の0-2歳児の保育所の費用を無償化する。19年に一部、20年度に全面実施する。また年収590万円未満世帯を対象とした私立高校の授業料無償化は20年度までに財源を確保した上で実施。大学の授業料は、住民税非課税世帯を対象に国立大学は無償化、私立大学は一部を自己負担とし、20年度から実施する。
(2017/12/9 05:00)