[ ICT ]
(2017/12/13 05:00)
米マイクロソフトは11日、量子コンピューティング開発キットを無償で提供すると発表した。この開発キットを使えば量子コンピューター上でのプログラミングを学べるほか、量子シミュレーター上で実行できるアプリケーションを作成できる。将来はプログラムを変更せずにマイクロソフトの量子コンピューターでアプリの実行が可能になるという。
開発キットでは、プログラム共有サイトのGitHub(ギットハブ)を通じてマイクロソフトが開発した量子コンピューティング向けのプログラミング言語「Q#(キューシャープ)」やシミュレーターなどを提供する。一般的なノートパソコンで30論理量子ビットをシミュレートすることが可能で、開発者は自分のパソコンで量子コンピューター向けプログラムをデバックしたり、小規模プログラムを実行したりできるという。
さらに大規模な量子計算向けには、40以上の論理量子ビットでクラウドサービスの「アジュール」ベースのシミュレーターが利用できる。
量子コンピューターは現在のコンピューターでは時間がかかりすぎて解けないような複雑な問題を、量子力学の原理を応用して高速に演算処理できるマシンとして実用化が期待されている。ただ、大きな課題の一つが、量子ビットの取り扱いが難しく不安定になりがちなこと。そのため、情報の信頼性を確保するのに大規模なエラー訂正機能が必要になる。
そこでマイクロソフトでは、エラー訂正機能を量子ビットそのものに組み込むトポロジカル量子ビットを採用し、信頼性を向上させた量子コンピューターの開発を進めている。
(2017/12/13 05:00)