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[ エレクトロニクス ]
(2017/12/13 10:00)
東芝は13日、半導体子会社「東芝メモリ」の売却で対立する提携先の米ウエスタンデジタル(WD)と和解したと発表した。WDは国際仲裁裁判所に申し立てた東芝メモリ売却差し止めを取り下げ、共同運営する四日市工場(三重県)の最新製造棟への投資に参加する。これで東芝メモリ売却が白紙化する恐れがなくなり、米原発事業の巨額損失で傷んだ財務基盤の強化へ大きく前進する。
東芝の成毛康雄副社長は「訴訟の懸念がなくなり、WDとの協業関係を再構築することで成長を加速できる」とのコメントを発表。WDのミリガン最高経営責任者も「協業で製品供給を継続できることを大変うれしく思う」と声明を出した。
和解を受け、東芝もWDを相手取って東京地裁に起こしていた訴訟を取り下げる。四日市工場に加えて、岩手県北上市に建設予定の新工場での共同投資も検討。3年後をめどとした東芝メモリ上場後も協力を継続することで合意した。
東芝メモリ売却では、少なくとも半年程度かかるとされる中国などでの独占禁止法の審査が残る課題となる。審査が遅れ、来年3月末までに売却が完了せず、債務超過を解消できずに東証ルールで上場廃止となるリスクを避けるため、第三者割当増資で6000億円を今月調達した。
WDは、米投資ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」への東芝メモリ売却に反対し、国際仲裁裁などで東芝と法廷闘争を繰り広げた。これに対し、東芝は四日市工場の最新製造棟への単独投資を発表。WDに共同投資継続の条件として、訴訟の取り下げを求めた。WDは投資に参加できなければ、最新鋭のメモリー製品を手に入れられず経営に影響が生じる。このため両社は和解を探っていた。(時事)
(2017/12/13 10:00)