[ 政治・経済 ]
(2017/12/23 08:30)
韓国南部星州の在韓米軍基地に設置された最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」(9月8日、EPA=時事)
文在寅大統領の訪中直後
【北京時事】今月解禁されたばかりの中国人団体客の韓国への旅行が再び禁じられたことが分かった。中国の旅行会社関係者が22日明らかにした。在韓米軍への最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備に対する中国政府の不満が解消できていないことが影響している可能性がある。
中国の旅行会社関係者によると、韓国の文在寅大統領が今月中旬に中国を訪れた後に韓国行き団体旅行の再禁止が決まった。再禁止の理由は不明。関係者は「最近、通知が出た。国の政策だ。いつまで禁止措置が続くか分からない」と語った。
中国から韓国への団体旅行は今年3月、THAAD配備に対する事実上の報復措置として禁止された。10月末に中韓両国が関係修復で合意したことなどを受ける形で解禁されていた。
韓国への団体旅行の禁止措置について、中国政府は「聞いたことがない」(華春瑩外務省副報道局長)と、表向きは関与を認めていない。韓国政府関係者は「中国政府は『業者に禁止も解禁も指示したことはない』と説明するだけ。対応のしようがない」と困惑するばかりだ。
韓国は、文大統領の訪中で関係改善が進むことを期待していた。しかし、THAAD問題をめぐる双方の溝は埋まっていない。中国の国際政治専門家は「中国は、文政権が北朝鮮の核問題を理由に、米国や日本と軍事協力を強化することを警戒している」と指摘している。
(2017/12/23 08:30)