[ 政治・経済 ]
(2017/12/23 11:30)
10年間で170兆円減税
【ワシントン時事】トランプ米大統領は22日、レーガン政権以来約30年ぶりとなる抜本的な税制改革法案に署名し、同法は成立した。減税規模は10年間で約1兆5000億ドル(約170兆円)。トランプ氏はホワイトハウスでの署名に際し、「歴史的」な減税だと意義を強調した。
税制改革は、1月に発足したトランプ政権が実現させた初めての主要公約。柱となる法人税の税率は来年に現行の35%から21%に下がり、主要先進国では最低水準に近くなる。米国に進出する日本企業も減税のメリットを受ける。法案は20日に議会を通過していた。
トランプ大統領は記者団に、来年1月に大がかりな署名式を行う考えだったが「(年内成立の)約束を守らなかったと報道されたくないので、きょう署名する」と語った。また、別の公約として掲げたインフラ投資は「最も簡単だ」と明言。税制改革後の政策課題に位置付け、超党派で実現すると表明した。
政府機関閉鎖を回避する来年1月19日までのつなぎ予算案も署名され、成立した。
政権初年は「後悔なし」、フロリダの別荘で冬休み入り
【ワシントン時事】トランプ米大統領は22日、ホワイトハウスで税制改革法案に署名した際、記者団に対し、今年の成果として「共和、民主両党の上下院議員の多くと仲良くなれたこと」を挙げた。一方、後悔したことはあるかという質問には、「ない」と言い切った。
この中でトランプ氏は、不和が取りざたされた共和党のマコネル上院院内総務を「(税制改革法案の議会通過で)懸命に頑張ってくれた」と持ち上げた。法案に反対した民主党には「減税が好きではないらしい」と嫌みを言いながらも、今後の議会審議での超党派の協力に期待を示した。
共和党はアラバマ州で今月行われた上院補選で敗北。上院(定数100)の共和党議席が年明けの審議から過半数ぎりぎりの51に減り、政権はさらに困難な議会対応を迫られる。
今年の事実上の「仕事納め」となった税制改革法案への署名後、トランプ氏はフロリダ州パームビーチの別荘へ移動し、年明けまでの休暇に入った。ただ、記者団には「北朝鮮や中東など、やるべきことは多い。クリスマス中もしっかり働く」と宣言した。
(2017/12/23 11:30)