深層断面／経団連・中西体制、５月始動―脱デフレの推進力に

政権関係・長期景気拡大の２つの追い風

経団連の次期会長に日立製作所の中西宏明会長が５月末に就任する。榊原定征会長が育んできた政権との良好な関係、いざなぎ景気を超える長期の景気拡大―。中西氏は二つの“追い風”を受け、政府の「デフレ脱却宣言」を後押しすることが喫緊の課題になる。（編集委員・神崎明子、同・明豊）

■榊原路線を継承■

• 

  中西次期会長

「中西さんに決まって本当によかった」。経団連で要職を務めた財界ＯＢの一人は安堵（あんど）の表情を浮かべる。“財界総理”と呼ばれる経団連会長をめぐっては２代にわたり人選が難航。経済界の人材難もささやかれるなか、早くから本命視されていた中西氏が固辞すれば人事は大混乱するとの不安の声が絶えなかったからだ。

榊原会長は安倍晋三政権と一体となって経済再生にまい進す...