[ 政治・経済 ]
(2018/1/30 17:00)
【ニューヨーク時事】トランプ米政権内で、次世代高速通信「5G」ネットワークの国有化論が浮上している。経済や安全保障の観点から、通信網の安全性を高め、中国による不正アクセスなどを防ぐことを狙う。ただ、規制当局や通信業界からは反発の声が上がっており、実現は不透明だ。
米ニュースサイト「アクシオス」は28日、国家安全保障会議(NSC)の高官が作成したとする内部文書を公開した。文書は「(政権の)1期目が終わるまでに、安全、高速で、世界最先端の5G通信網を構築することが必要かつ可能だ」と指摘。中国による傍受活動などを防ぐため、政府によって一元的に管理された通信網が必要だと訴えた。
連邦通信委員会(FCC)のパイ委員長は29日、報道を受けて声明を出し「(国有化は)費用がかさみ、5Gの将来にとって逆効果だ」と批判。通信会社などでつくる業界団体CTIAも「政府は自由な市場を尊重する政策を追求すべきだ」と国有化に反対した。
サンダース大統領報道官は同日の記者会見で、「議論は極めて初期の段階にあり、何も決まっていない」と語った。
(2018/1/30 17:00)