[ 政治・経済 ]
(2018/2/9 15:00)
上院の予算案採決遅れ、下院通過は不透明
米議会は共和党の上院議員1人の反対で8日深夜までに新たな暫定予算を承認できず、政府機関の一部閉鎖が始まった。上下両院は9日早朝に採決を計画しているため、政府閉鎖は数時間で解除される可能性がある。
下院では共和党保守派と民主党の一部が2年間で3000億ドルの歳出増を認める合意案に反対しており、法案が否決されるリスクも依然残る。同法案は3月23日までの政府資金を手当てするほか、連邦債務の法定上限適用を2019年3月まで停止する内容。
ランド・ポール上院議員(共和)が8日、歳出拡大を理由に予算合意案への反対を表明し、上院採決に遅れが出た。上院はポール議員の反対で、審議に入る手続き上の採決は9日午前1時まで待たなければならない。上院採決は午前2時前後になる見通し。下院は午前3-6時(日本時間午後5-8時)ごろの採決を予定している。
行政管理予算局(OMB)は同日夜の声明で、暫定予算の失効に備えていることを明らかにした。
ライアン下院議長は8日、合意案で国防費が増額されたことを強調。国内プログラム予算が増えたことに反発し反対票を投じるとしている共和党議員の説得に努めた。民主党に対しては、大統領が署名するような移民法案を下院で審議すると議長は約束したが、複数の案について開かれた議論をするよう求めている民主党側には不満が残った。
36人前後のメンバーで構成される下院共和党保守派の「下院自由議員連盟」は反対する意向を示しており、ライアン議長らは法案通過のために一部民主党議員に頼らざるを得なくなりそうだ。
ペロシ民主党下院院内総務は7日の本会議で、ライアン議長が移民問題で明確な公約をしない限り、合意案に反対すると言明。下院民主党議員に反対票を投じるよう求めるかと8日の記者会見で問われ、「私は自分がなぜこのように投票するかを伝えるだけだ」と答えた。(ブルームバーグ)
(2018/2/9 15:00)