[ 政治・経済 ]
(2018/2/22 19:00)
外貨調達を目的に仮想通貨「ペトロ」発行に踏み切ったマドゥロ大統領(20日、カラカス=ブルームバーグ)
経済破綻で深刻な食料難
【サンパウロ時事】深刻な食料難に見舞われている南米ベネズエラで、国民が2017年に平均11キログラム体重を減らしたことが地元3大学の合同調査で分かった。ロイター通信が21日伝えた。16年は平均8キログラム減で、事態は悪化している。
調査は20-65歳の6168人を対象に実施。87%が貧困にあえいでおり、6割以上がここ3カ月、空腹のあまり目を覚ましたことがあると訴えた。また、約25%が1日2食以下で過ごしていると回答した。
調査に当たった研究者は「ベネズエラ人は実際は貧しくないにもかかわらず、物価と収入の乖離(かいり)が広がっている」と指摘。昨年は2600%に達したハイパーインフレが国民を苦しめていると強調した。
ベネズエラは原油の確認埋蔵量が世界一の産油国だが、マドゥロ大統領の失政や国際石油価格の低迷などを受けて経済は破綻状態に陥った。輸入に頼っている食料や医薬品などが不足し、難民がコロンビアやブラジルなどに押し寄せている。
(2018/2/22 19:00)