[ 金融・商況 ]
(2018/3/2 18:00)
2日の東京金融市場は、トランプ米大統領による鉄鋼などの輸入制限の表明を受けて、世界的な貿易摩擦の激化を懸念した投資家のリスク回避姿勢が鮮明になり、円高・株安が進行した。日経平均株価の終値は前日比542円83銭安の2万1181円64銭。円相場は2週間ぶりに1ドル=105円台に急伸した。
株式市場は、東証1部の87%の銘柄が下げるなど、全面安の展開となった。日経平均の下落は3日連続。下げ幅は一時635円に達した。円高が収益に響く自動車、電機などの値下がりが目立った。
1日にトランプ大統領は、鉄鋼などの輸入増加により「米国の企業と雇用が壊滅的な打撃を受けてきた」と批判、新たな輸入制限措置を取る考えを示した。貿易摩擦の激化懸念で米株式市場は大幅安となり、アジア市場にも波及、世界同時株安への不安感が高まった。
市場関係者からは「今後はトランプリスクが再び高まる可能性がある」(インターネット証券)との見方が出ている。東証1部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は31.86ポイント安の1708.34。
東京外為市場では、貿易摩擦の激化懸念に加えて、日銀の金融政策が正常化に向かうとの思惑から、円を買う動きが強まった。円相場は午後5時現在、1ドル=105円73~74銭と前日比1円06銭の円高・ドル安。市場では「目先、104円台に上昇する可能性がある」(国内銀行)と、一層の円高進行を予想する声が聞かれた。(時事)
(2018/3/2 18:00)