[ 金融・商況 ]
(2018/3/8 13:00)
取扱高で最大級の仮想通貨取引業者の一つ、中国のバイナンスで顧客の仮想通貨が許可なく売却されたとして利用者の間に怒りが広がる騒動があり、バイナンスは対応に追われている。
趙長鵬最高経営責任者(CEO)は7日、「全ての資金は安全だ」とツイート。「取引活動に不正があったため、自動警報が作動した。一部の口座は以前から、フィッシングで操作されていた可能性がある。当社は引き続き調査中だ」と説明した。
その次のツイートでは「この不正取引は特定しており、元の状態に戻す。素早い警報のおかげで、全ての資産は安全だ」と強調した。さらにその後、2分間にわたって「大規模なフィッシングと窃盗の試み」があり、これに関係する一部取引は元に戻すことができないとした。詳細は明かしていない。
だが、仮想通貨のトレーダーはパニックに陥っていたようで、レディットやツイッターなどには助けを求める声が寄せられた。チャットアプリ、テレグラムで6万5000人近くが参加する「バイナンス・イングリッシュ」グループでは、何千ドルも失ったとのコメントもあり、バイナンスが調査のため資金引き出しを停止したことに不満の声も上がった。
ジョイ・レイという名の利用者は「全て失った。バイナンスが払い戻してくれなければ、破産だ」とつぶやいたほか、別の人物によれば、誰かがバイナンスの口座にアクセスして9万2000ドル相当の仮想通貨を売ってビットコインを購入、そのビットコインで別の仮想通貨「ビアコイン(Viacoin)」を買って、それを引き出した。バイナンスに口座を持つ3人はブルームバーグに対し、自分たちの口座が許可なくビアコイン購入に使われたと話した。
バイナンスは2月、システム更新後の取引再開期限を数回破り、35時間余りにわたって取引や資金引き出しができなくなった利用者から反発を買っていた。この当時、ハッキングされたとの臆測が浮上したが、趙CEOは否定していた。(ブルームバーグ)
(2018/3/8 13:00)