[ 金融・商況 ]
(2018/3/23 07:00)
22日の米国市場では株式相場が6週間ぶりの大幅安となった一方、米国債は続伸した。投資家の注目は米金融政策から、世界経済の成長を妨げかねない米中間貿易戦争への懸念に移った。
トランプ米大統領が中国製品約500億ドル(約5兆2800億円)を対象とした大規模な関税賦課を命じた後、S&P500種株価指数は2月初旬以来で最大の下げとなり、ダウ工業株30種平均は下げ幅を700ポイント余りに拡大した。10年債利回りは2.80%に向かって低下した。
S&P500種株価指数は前日比2.5%下げて2643.69。ダウ工業株30種平均は724.42ドル(2.9%)安の23957.89ドルと、24000の大台を割り込んだ。ナスダック総合株価指数は2.4%安。ニューヨーク時間午後4時35分現在、米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.82%。
ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反落。米国が中国に対する大規模な関税を発表したことから、貿易戦争に発展するとの不安で株式相場が下落したことが重し。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比87セント(1.3%)安の1バレル=64.30ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は56セント下げて68.91ドル。
ニューヨーク金先物相場は続伸。トランプ米大統領の新たな対中関税発表にかけて、金の未決済建玉 (オープンインタレスト)は1月以来の高水準に増加した。報復措置を誘発し、世界成長見通しが悪化するとの警戒が広がった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日比0.4%高の1オンス=1333.20ドルで終了した。終値では3月6日以来の高値。
WBIインベストメンツのマット・シュライバー社長兼最高投資責任者(CIO)は、「市場は貿易戦争を好まない。米金融当局が利上げについて断固譲らないのも気に入らない」と話した。
この日はトランプ米大統領の弁護士ジョン・ダウド氏が辞任したことも、朝方の株売り材料になった。モラー特別検察官によるロシア疑惑捜査に対抗するため、トランプ大統領は個人で弁護団を形成し、ダウド氏が主任弁護を務めていた。フェイスブックは2.7%安を付け、ハイテク株の下げを加速させた。(ブルームバーグ)
(2018/3/23 07:00)