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[ 医療・健康・食品 ]
(2018/4/7 07:00)
【シカゴ時事】中国が米国産大豆を報復関税の対象としたことで、米業界が危機感を強めている。米大豆協会(ASA)は米中間の貿易摩擦激化に「強烈な不満」を抱き、トランプ政権に対中制裁の撤回を求めている。
「(中国による)関税上乗せは全ての米農家に壊滅的な打撃を及ぼす」。ASAのハイスドーファー会長は声明で生産現場への影響に懸念を示した。中国は米大豆の最大の輸出先。米農務省によると、2017年の対中輸出は約3200万トンと、輸出全体の約6割を占めた。ASAはこの巨大市場を「競合国に奪われたくない」(フィンドレイ最高経営責任者)と、焦燥する。
米大豆輸出協会(USSEC)の北アジア地区代表、ポール・バーク氏によると、中国が米大豆に25%の報復関税を上乗せすれば、対中輸出が約70%減少する可能性がある。
中国の報復関税発表を受け、4日のシカゴ市場の大豆先物相場は急落。前日比54.50セント安の983.50セントと、約2カ月ぶり安値に沈んだ。
作付けが本格化する5月を控え、生産者の不安は募るばかりだ。ハイスドーファー会長は、報復を回避するための「時間はまだある」と強調。トランプ大統領に対し、農家に有益となるよう「懲罰的ではなく、建設的な方法」で取り組むよう呼び掛けた。
(2018/4/7 07:00)