[ 政治・経済 ]
(2018/5/1 12:00)
【北京、台北=時事】中国外務省は1日、中米のドミニカ共和国が中国と国交を樹立し、台湾と断交したと発表した。台湾との外交関係を遮断して中国と国交を結ぶのは昨年6月の中米パナマ以来。
独立志向の台湾民進党・蔡英文政権が発足した2016年5月以降、中国は台湾を国際的に孤立させる外交攻勢を強めている。16年末には台湾と外交関係があったアフリカの島国サントメ・プリンシペとの国交も樹立した。
中国の王毅国務委員兼外相は1日、北京の釣魚台迎賓館を訪れたドミニカ共和国のバルガス外相と共に、国交樹立の共同コミュニケに署名した。中国政府は、ドミニカ共和国が中国本土と台湾を不可分とする「一つの中国」原則を認め、台湾と即日断交したことを「称賛」した。
台湾にとって、77年間の外交関係があったドミニカ共和国との断交は、大きな打撃となる。蔡政権発足以来、台湾と断交し、中国に乗り換えた国はドミニカ共和国で3カ国目となり、台湾と外交関係を持つ国は19カ国に減少した。
台湾の呉釗燮外交部長(外相)は1日、記者会見し、「巨額の資金援助など金銭外交でわが国の国交締結国を奪う行為に強く抗議する」と中国を非難。ドミニカ共和国に対する全ての援助を停止すると発表した。
(2018/5/1 12:00)