[ ICT ]
(2018/5/1 14:00)
米フェイスブック傘下の無料メッセージアプリ企業ワッツアップの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるヤン・クーム氏が退社する。ワッツアップがフェイスブックに220億ドル(現在のレートで約2兆4000億円)で買収されたのは3年半前だった。
フェイスブックの個人情報の取り扱いを巡りユーザーらの不信感が強まる中、フェイスブックは社内でユーザー情報保護を訴えてきた一人であるクーム氏を失うことになる。クーム氏は自身のフェイスブック・ページで退社する予定だと明らかにし、自分の気持ちに従って決断したと説明した。具体的な退社理由については明示していない。
フェイスブックのソーシャルネットワークやメッセンジャーアプリなどとは統合されずにいたワッツアップは、メッセージの送り手と受け手しか中身を知ることができない完全な暗号化を実現している。同アプリのユーザーは全世界で約15億人。
フェイスブックのザッカーバーグ氏はクーム氏に対して、「世界をつなげたあなたの貢献全てと、暗号化や中央集権システムから人々の手に権力を取り戻す暗号化の力などについて私に教えてくれたこと全てに感謝する」とメッセージを送った。
クーム氏の退社については、米紙ワシントン・ポストが先に報じていた。同紙はクーム氏が戦略を巡ってフェイスブックと対立していたとし、フェイスブックの取締役も退任する計画だと伝えた。ワッツアップのもう一人の共同創業者のブライアン・アクトン氏も同社を退社済み。
フェイスブックは、ワッツアップCEOの後任や、クーム氏がフェイスブック取締役にとどまるかどうかについてコメントしないと表明。またワッツアップで広告を開始する計画があるかについてもコメントを控えた。ワッツアップの創業者らは広告を使うビジネスモデルは決して採用しないと約束していた。(ブルームバーグ)
(2018/5/1 14:00)