[ オピニオン ]

社説/「朝活」本格化 より多くの人に門戸を開け

(2018/5/4 05:00)

出勤前の朝の時間に活動する「朝活」の取り組みが2018年度も各地で本格的に動き出した。大都市部を中心に、仕事に関係する講座や勉強、スポーツ、交流目的などバラエティーに富む自己研鑽メニューがある。朝の貴重な時間に「朝活」をうまく組み込めば、スキルアップや充実した生活につながる。多くの人が関われるような仕掛けづくりも今後は求められる。

東京の「丸の内朝大学」。大手町、丸の内、有楽町の地域で平日毎朝7時台から開講する市民大学だ。ホームページによると09年春に開講し、現在は10年目。これまで延べ1万7000人以上が通ったという。お金との付き合い方を学ぶ「マネーコミュニケーションクラス」や「戦国武将と城探究クラス」「熊野古道巡礼クラス」など豊富なメニューが魅力だ。

「丸の内朝大学」のような大規模な取り組みから、喫茶店などで個人的に開く勉強会の類まで「朝活」活動はさまざま。大阪や名古屋など他の大都市でも同様の取り組みが見られる。

「早起きは三文の徳」という言葉があるように、朝の早いうちから活動する利点は多い。「朝活」の場合、出勤までの限られた時間を有効活用できる、疲れていない集中力のある状態で打ち込める、社外の人と交流を図れるなどの利点がある。

朝型勤務制度の導入で成果をあげた企業が話題になり、働き方改革が叫ばれる昨今、朝の時間の有効活用に関心を持つビジネスパーソンは少なくない。「朝活」は有力かつ魅力的な選択肢の一つであり続けている。

しかし、平日の朝の時間に大都市部以外に住む人が参加しにくいのは残念だ。地方勤務の人や始業時間の早い人は「朝活」に参加できない。例えばインターネットから参加できる「オンライン朝活」やさらに時間差をつける「オンライン時差朝活」といった取り組みが広がってもいいのではないか。

直接、顔を合わせて交流できるのが「朝活」の魅力の一つ。とはいえ、より多くの人に門戸を開くことで活動の幅がさらに広がってほしい。

(2018/5/4 05:00)

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