[ 政治・経済 ]
(2018/5/13 12:00)
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が6月12日にトランプ米大統領と会談する。開催地はシンガポールだ。シンガポールは安全保障で米国と協力協定を結んでいるほか、北朝鮮が大使館を置き、中国とも強固な関係を保っている。つまり、全ての関係国にとって米朝首脳会談の開催地として最適の場所ということだ。
これは単なる偶然かもしれないが、鄧小平氏は改革開放路線を始めた1978年にシンガポールを訪れた。同氏にとって唯一のシンガポール訪問は、中国でシンガポールの産業発展モデルを再現する種をまいた。
金委員長はこの1カ月程度で中国を2度訪問した。朝鮮半島の平和に関する交渉プロセスに関する中国との意見交換に加え、中国が発展した経験から北朝鮮がどのように学ぶことができるか助言を求めている可能性もある。
中国がちょうど40年前に始めた対外開放は、中国のみならず世界も大きく変えることになった。潜在的な経済規模の点では北朝鮮は中国の影響力に遠く及ばないが、似たようなビッグバンの瞬間が訪れようとしているとすれば、世界にとってポジティブサプライズになるだろう。
フロンティア市場への投資家にとっては、今後検討に値する全く新しいマーケットが現れる可能性がある。(ブルームバーグ)
(2018/5/13 12:00)