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[ 科学技術・大学 ]
(2018/6/9 08:00)
鳥が卵を温める「抱卵」を、体重2トンに及ぶ大型恐竜も行っていた可能性があることが、名古屋大などのグループの研究で分かった。卵をドーナツ状に並べ、つぶさないように工夫したとみられる。論文は英科学誌バイオロジー・レターズ電子版に掲載された。
名大博物館の田中康平・日本学術振興会特別研究員らは、中国で見つかったオヴィラプトロサウルス類の卵や巣の化石を調べた。鳥類に近く、ダチョウに似た外見の恐竜で、飛ばずに二足歩行したとされる。
この恐竜のうち、小型の種では抱卵状態の化石が見つかっているが、体長8メートル、体重2トンと推定される大型種では卵をつぶしかねず、別の育て方をした可能性もあった。
研究グループは、卵の殻にある呼吸用の細かな穴の特徴から、大型種も卵を砂などに埋めず抱卵したと推定。巣の状態を分析した結果、卵を隙間なく並べる小型種に対し、大型種はドーナツ状に並べて中央に隙間を作り、中心に親が座ったとみられる。
親と卵が接する面積が小さく温めるのは難しかったが、外敵や雨から卵を守った可能性があるという。(時事)
(2018/6/9 08:00)