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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/6/20 15:30)
19日の米株式市場で、電気自動車メーカーのテスラの株価が下落。一時6.6%安となった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は社内の電子メールで、不満を抱える従業員1人が生産オペレーティングシステムに侵入し、機密情報を複数の身元不明の第三者に送ったと説明。また工場の製造ラインで小規模な火災が発生したことも明らかにし、「説明しがたい奇妙な出来事」との見方を示した。
マスクCEOは17日遅くに送った社内メールでこの従業員について、テスラの業務に「極めて大掛かりで悪影響を及ぼす妨害行為」を行ったと記した。この従業員は昇進を望んでいたが、その希望がかなわなかったという。この社内メールについては、米経済専門局CNBCが全文を伝えた。テスラの広報担当はコメントを控えたが、匿名を条件に語った従業員1人がこのメールを受け取ったことを確認した。
テスラはこの従業員が単独で妨害行為に及んだのか、それとも社内の他の従業員ないし外部組織も関与したのかを含め、徹底した調査を行っていると、マスク氏は説明した。
電子メールでマスク氏は「ご承知のように、テスラの死を望む組織は多い」と指摘。ウォール街で「すでに数十億ドルの損失を出している」空売り投資家や、太陽光発電や電気自動車の発展を目にするのを「好ましく思わない」石油・ガス会社、ガソリン車やディーゼル車を生産する自動車メーカーなどを挙げた。さらに、「もし彼らが排ガスでこれほど不正を行う意思があるのなら、別の方法でも進んで不正行為に及ぶ可能性はあるかもしれない」と記した。
またマスク氏は18日に送った別の電子メールで、テスラの工場の製造ラインで起きた小規模な火災で生産が数時間停止したことを明らかにし、「説明しがたい奇妙な出来事」だと記した。その上で従業員に対し、社内で少しでも不可解な展開があれば常に目を光らせて警戒するよう呼び掛けた。
マスク氏は「ただの偶然の出来事かもしれないが、アンディ・グローブ氏(インテルの元会長兼CEO)の言葉にもあるように『パラノイアだけが生き残る』」と記した。(ブルームバーグ)
(2018/6/20 15:30)