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[ 科学技術・大学 ]
(2018/7/12 17:00)
【ワシントン=時事】米議会付属の政府監査院(GAO)は11日、航空宇宙局(NASA)が計画する有人宇宙飛行再開について、目標の2019年に間に合わない可能性があるとする報告書を公表した。打ち上げを請け負う民間企業2社の計画認証が遅れているためで、国際宇宙ステーション(ISS)への米宇宙飛行士輸送が中断することもあり得るという。
11年のスペースシャトル退役後、NASAはロシアの「ソユーズ」を使って米宇宙飛行士をISSに送っている。ソユーズ搭乗契約が19年11月で終了するのをにらみ、NASAは14年、ボーイングとスペースXの両社と宇宙飛行士輸送計画に関する契約を締結した。
報告書は民間2社とも「設計やハードウエア製造を前進させている」としながらも、有人飛行に必要な認証が、宇宙飛行士の安全基準に絡む問題で、いずれも当初計画の17年から19年にずれ込んだことを指摘。「さらなる遅れもあり得る」という見通しを示した。
ソユーズ搭乗に関する新たな契約締結には時間を要するため、民間2社の計画がさらに遅れれば、NASAはISSに飛行士を送る手段を一時的に失いかねない。GAOは報告書で「米宇宙飛行士を切れ目なく送る選択肢を確保しなければ、ISSに投じた巨額資金を十分に回収できなくなるリスクが生じる」と警告している。
(2018/7/12 17:00)