[ 金融・商況 ]
(2018/8/9 13:00)
ビットコインの信奉者らは、この仮想通貨がいつかドルに取って代わると説いて回る。しかし今すぐではないだろうと、UBSは指摘する。ビットコインはまだ貨幣とは見なされず、存続可能な資産クラスだとすら認められていないためだ。
米国のマネーサプライ、つまり紙幣や硬貨、トラベラーズチェックなどに取って代わるには、ビットコイン価格が約21万3000ドル(約2400万円)に達するか、基盤のネットワークの処理能力が大幅に向上することが必要だろうと、UBSが最新のリポートで分析した。
ビットコインのネットワークは、現在の能力では米ビザなど決済会社が扱う件数のほんの一部しか処理できない。同ネットワークの設計に内在する能力の限界が、ビットコインの実用性を制限し続ける公算だと、UBSはリポートで指摘した。
リポートは、「ビットコインは現在の形では不安定かつ制限があり過ぎるため、実用的な国際取引の決済手段や主流の資産クラスになることはできないことが、当社の調査で示唆された」としている。
リポートによると、ビットコインの価格変動は70%余りが投機的な需要に基づく。仮想通貨は代替的な資産クラスとなる可能性はあるものの、価格変動が非常に激しい点は変わらず、投機的投資家向きの資産であり続けるだろうとUBSは結論付けた。(ブルームバーグ)
(2018/8/9 13:00)