[ オピニオン ]
(2018/9/11 05:00)
女子テニス界の世代交代を予感させる試合だった。20歳の大坂なおみ選手が、36歳のセリーナ・ウィリアムズ選手を制して全米オープンテニスで優勝した。
試合で大坂選手の腕にあったのはシチズンの時計だ。8月末にブランドアンバサダーとして起用されたばかり。「ラッキー・アイテムになれば」という大坂選手の言葉があっさりと現実になった。
シチズン時計には「シチズン」のほかに実はもう一つ、「ミヨタ」という世界的なブランドがある。組み立て会社に外販する機構部分(ムーブメント)は、工場があった長野県御代田町にちなみミヨタと呼ばれている。
現在、製造を担うのはシチズン時計マニュファクチャリングミヨタ佐久工場(長野県佐久市)。ミヨタの名を冠したこの拠点は、ムーブメントの生産を日本で継続するために徹底して自動化した世界有数の量産工場だ。肉眼でやっと見える微細な部品を1秒当たり1個組み立てる生産ラインは、日本人のこだわりと工夫が詰まる。
米国暮らしが長く、日本語もやや苦手な大坂選手。しかし、インタビューで試合相手に「サンキュー」とちょこんと頭を下げたのが日本人らしいと評判だ。ミヨタ同様、日本人らしさをいかして世界を席巻してほしい。
(2018/9/11 05:00)