[ 政治・経済 ]
(2018/10/1 05:00)
【ワシントン=時事】北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉をめぐる米国とカナダの2国間協議が30日、大枠合意した。カナダは乳製品市場の一部開放や自動車の対米輸出に事実上の制限を設けることを受け入れた。先に妥結したメキシコを含む3カ国協定の枠組みは維持されるが、進出する日本企業は新協定への対応が迫られる。3カ国は11月末の協定署名を目指す。
米国とカナダは週末返上で調整に当たった。米国はメキシコとの協議で、反ダンピング(不当廉売)関税に対抗する手続きを定めた紛争処理制度の廃止を決めたが、今回、カナダの猛反発を受けて、これを撤回した。
一方、カナダ関係筋はロイター通信に対し、同国が非課税、もしくは低関税率が適用される自動車の対米輸出枠を260万台に設定することに合意。また、乳製品の生産者を保護するための国内制度を見直す。
NAFTA改定はトランプ米大統領が通商政策で掲げる優先課題の一つで、昨年8月に再交渉が始まった。メキシコとは今年8月末に合意したものの、カナダとの協議は難航。トランプ氏はカナダとの妥結を待たず、メキシコとの2国間協定に署名する方針を議会に通知していた。
米通商代表部(USTR)は、3カ国による新協定の名称を「USMCA」と発表した。
(2018/10/1 05:00)