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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/10/2 17:00)
トヨタ自動車欧州部門の最高経営責任者、ヨハン・ファン・ゼイル氏は英国が欧州連合(EU)から合意なく離脱した場合には、同国での生産を一時的に停止する必要があるとの見解を示した。
同氏はパリモーターショーで記者団に対し、EUとの合意のない離脱になった場合には生産が中断される結果になるとし、同社が離脱後も無関税での貿易を望んでいるとの考えを明らかにした。
合意無し離脱に備えた緊急時対策の作成では各社が準備を進めている。ドイツのBMWは先月、毎年夏に行っているオックスフォード工場の4週間の定期修理を、英国がEUを離脱する4月1日に前倒しする計画を発表。
トヨタは、英国のバーナストン工場で欧州市場向けの小型車「オーリス」を製造している。同社広報担当者によれば昨年生産された14万4000台のうち約87%がEUに輸出された。
ファン・ゼイル氏は生産停止がどの程度続くのかを見通すのは困難だと発言。「ジャストインタイム」(JIT)生産方式により同工場が持つ部品在庫はわずか4時間分のため、継続的な供給が必要で、現在は毎日トラック50台がEUから部品を供給している。物流が滞らないよう在庫を多く抱えるようになればコストが増加すると話した。
EU離脱の交渉は、英国とアイルランド国境に検問や税関審査の再設置を回避する方法を巡り膠着(こうちゃく)状態となっている。英国が現在準備している新たな提案では、同国と北アイルランドとの間の物流に新たな検査を設けることへの反対を取り下げる。その代わりに北アイルランドを含む英国全体がEUの関税制度内に残留することを認めるよう、EUに妥協を求める方針だ。(ブルームバーグ)
(2018/10/2 17:00)