[ ロボット ]
(2018/10/17 05:00)
「ものづくり」「サービス」「インフラ・災害対応」「ジュニア」の4部門・9種目で競技を実施するワールド・ロボット・サミット(WRS)。17日の開幕に向けて、東京・有明の東京ビッグサイトの会場では準備が進む。チームは大手企業やベンチャー、学生などさまざま。そんな中、ものづくり部門は企業の参戦が多く、競技へのチャレンジだけでなくビジネスへつなげようとする動きもみられる。
精密部品組み立てを競う、ものづくり部門は見た目は最も地味だが、最も熱い競技会になりそうだ。サービスやインフラ災害対応部門に比べ、参加者の平均年齢がグッと上がる。これは大学だけでなく、民間のロボット企業が本気で参戦しているためだ。
ロボットベンチャーのMUJIN(東京都墨田区)と三明機工(静岡市清水区)のチームは3台のロボットアームを持ち込んだ。3台のアームと3台の3次元センサー、3台の力覚センサーなどを1台のコントローラーで制御する。コントローラーを一つに集約したことでティーチングを分割せずにすみ、システム構築や変更が簡単になった。出杏光魯仙(デアンコウ・ロセン)MUJIN最高技術責任者(CTO)は「WRS専用の開発はしていない」と説明する。開発した技術は、大会終了後に買い取る顧客が決まっている。大会参加とビジネスを両立させた。
そして競技ブースに人材募集ののぼりを掲げ、周囲の大学チームから若手をリクルートしている。MUJINの桑原宏之エンジニアは「早速、我々のシステムとのぼりを見て、何人かが声をかけてきてくれた。海外の優秀な人材を引き入れるチャンス」と手応えは大きいようだ。規模の小さなベンチャーにとって競技会に力を注げば、マンパワーがとられてしまう。だからこそロボット関連人材が集うWRSで、より多くの収穫を持って帰るつもりだ。
(2018/10/17 05:00)