[ ICT ]
(2018/12/18 05:00)
【上海、サンフランシスコ=ロイター時事】米アップルは、今後起こり得る問題に対応するため、今週初めにソフトウエアのアップデートを行う方針を示した。米半導体大手クアルコムは10日、特許侵害をめぐる米アップルとの訴訟に関連して中国の裁判所がiPhone(アイフォーン)の旧機種の販売を差し止める仮処分を出したことを明らかにした。今回の措置は、この動きに関連したもの。
中国の裁判所では、アップルがクアルコムのソフトに関する特許権2件を侵害していると判断されたという。
アップルとクアルコムは複数の国で特許をめぐって係争しており、中国ではクアルコムが2017年に、タッチスクリーンで写真のサイズを変更したりアプリを管理したりする機能に関連した特許をアップルが侵害したとして訴訟を起こした。
ソフトのアップデートについて、アップルはロイターに送付した文書で「現在中国で販売しているiPhoneに基づくと、われわれは順守していると考えている」との見方を示した。
「この件に関する特許権2件の機能面での小さな問題に対応するため、中国のiPhoneユーザーのためのソフトウエアのアップデートを行う」と説明。「裁判所命令の順守に関して、浮上する可能性のある懸念に対応するためだ」と指摘した。
アップルは10日、判断の見直しを裁判所に要請したことを明らかにしている。
iPhone販売差し止めについて、アップルは見直し要請の中で、中国当局に支払う税金のほか、供給業者や消費者に影響が及ぶと訴えた。
クアルコムの法務顧問、ドン・ローゼンバーグ氏は声明で、ソフトの変更を予定しているとはいえ、「アップルは裁判所の命令を無視し、違反し続けている」と指摘。アップルは直ちに、命令で指摘された機器の販売などをやめ、裁判所の判断に従っていることを証明する法的義務を負うと主張した。
(2018/12/18 05:00)