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[ 科学技術・大学 ]
(2018/12/31 05:00)
【北京=時事】中国政府は27日、中国版全地球測位システム(GPS)「北斗」の基本システムが完成し、同日から全世界を対象にサービスを開始した。中国が米国のGPSに依存しない「軍民共用のインフラ」を目指して開発した「北斗」を地球規模で運用することで、ナビゲーションの分野でも米国との覇権争いが激しくなりそうだ。
中国は従来、自ら提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」地域を年内にカバーし、20年に全世界にサービスを拡大する目標を掲げてきた。しかし、北京で27日記者会見した中国衛星誘導システム管理弁公室の冉承其主任は「全世界にサービスを提供する。どこに行っても(北斗は)あなたのそばにいる」と宣言した。
冉主任によると、テストの結果、世界の95%以上の地域で利用でき、測位精度は米GPS並みの誤差10メートル。20年までにさらに11基の衛星を打ち上げて30基体制を整え、精度も2倍以上に向上させるという。国内では、携帯電話や自動車、船舶などに北斗対応のシステムが続々搭載されており、海外でも採用を働き掛ける方針だ。
北斗プロジェクトは90年代に始まり、2012年にアジア・太平洋地域で実用化。この1年余りで19基というハイペースで全世界対応の衛星を打ち上げ、サービス範囲を拡大した。
(2018/12/31 05:00)