[ ICT ]
(2019/2/6 13:00)
米アップルは5日、小売り担当責任者を2014年から務めたアンジェラ・アーレンツ氏が4月に退社すると発表した。後任は人事責任者で同社生え抜きのディアドラ・オブライエン氏が兼任する。アップルは「iPhone(アイフォーン)」の売り上げが鈍り、販売立て直しを図っている。
同社の発表によると、アーレンツ氏(58)は「個人的および職業上の都合」で同社を離れる。同氏は英高級ブランドのバーバリー・グループで最高経営責任者(CEO)を8年近く務めた後、アップル入りした。
アーレンツ氏はアップルに高級志向を持ち込み、小売店舗を「アップルウオッチ」のショーケースに変身させた。店舗はより開放的なフロアのある待ち合わせ場所のようなデザインとし、カスタマーサービスのプロがカウンターの奥から店内に出るようにした。同氏の下でアップルはメキシコや韓国、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)などの地域に店舗を広げ、現在は約25の国・地域に500店舗以上を抱える。
アップルにとって最大の収入源であるアイフォーンの売り上げは昨年ピークを付け、同社は製品販売で転機を迎えている。このタイミングで小売り担当責任者に就くオブライエン氏は、生え抜きで同責任者を務める初の人材。1980年代からアップルに勤務するオブライエン氏は人事担当に就く前、セールスを担当するバイスプレジデントだった。
ウェドブッシュのアナリスト、ダニエル・アイブス氏は「この転機にアップル生え抜きの人材が責任者に就くことには勇気づけられる」とし、同社にとって「これまでで最も重要かつ将来が決まるような時期に、外部の人間に小売りを統括させるのはリスクが高かっただろう」とコメントした。(ブルームバーグ)
(2019/2/6 13:00)