[ オピニオン ]
(2019/4/3 05:00)
月の模様は各国で見えるイメージが異なり、日本ではウサギが餅をつく姿が一般的。天体の衝突などで皿のようになったくぼ地「クレーター」を埋め尽くす黒い溶岩の塊がこの模様を見せている。
米国は月近傍に有人拠点を作り、再び月面に人を送ろうとしている。将来、月面のクレーター探査が行われるかもしれない。
小天体にクレーターを作るという新しい試みが5日行われようとしている。小惑星探査機「はやぶさ2」から衝突装置を降下させ、小惑星「リュウグウ」に人工クレーターを作る。小惑星内部の試料をはやぶさ2のタッチダウン(着陸)で採取する計画だ。世界初の試みに日本中が注目する。
ミッションには危険も伴う。リュウグウに向けて衝突装置を放出したはやぶさ2は急いでリュウグウの裏側に隠れなければならない。宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の久保田孝研究総主幹は「馬に乗りながら的を矢で射る『やぶさめ』を行うようなもの」とミッションの難易度をこう評価する。
科学には失敗が付きもので新しい知見を得るにはリスクを取ることも必要だ。はやぶさ2のミッションに勇気づけられて、何か新しいことに挑戦してみてはどうだろうか。
(2019/4/3 05:00)