[ ICT ]
(2019/5/11 05:00)
米フェイスブックの共同創業者クリス・ヒューズ氏は9日、かつてハーバード大学の寮でマーク・ザッカーバーグ氏らと共に設立した同社について、分割されるべきだとの見解を明らかにした。ザッカーバーグ氏の権限や影響力が強くなり過ぎたと説明している。
ヒューズ氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)への寄稿で、最高経営責任者(CEO)を務める「ザッカーバーグ氏の権限は前例のないものになり、アメリカ的ではない」と指摘。「フェイスブックを分割する時だ」と述べた。
ここ10年余り同社から遠ざかっていたヒューズ氏は、ザッカーバーグ氏の影響力は「圧倒的」で、官民両セクターの誰をも上回ると語り、成長を重視する同氏の姿勢が「セキュリティーと礼節を犠牲にすること」につながっていると批判した。
フェイスブックなどの大手テクノロジー企業は、自社プラットフォームを利用するユーザーの個人情報を膨大に集めており、これを巡って米欧当局が監視を強めている。情報操作や「フェイクニュース」拡散に対する脆弱(ぜいじゃく)性のほか、ヘイトスピーチや暴力を助長する場としての使われ方が、最近の議論の中心だ。
2020年米大統領選挙の民主党候補の1人であるエリザベス・ウォーレン上院議員は3月、競争を阻害しているとして、フェイスブックやアマゾン・ドット・コム、アルファベットといった大手テクノロジー企業の分割を提案。民主党の別の大統領候補エイミー・クロブシャー上院議員も同調している。
フェイスブックは発表資料で、成功している企業を分割しても説明責任を強化することにはならないと反論。代案として新たな規制をあらためて求めた。ザッカーバーグ氏は3月、米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、世界的なインターネット 規制を呼び掛けていた。(ブルームバーグ)
(2019/5/11 05:00)