[ ICT ]
(2019/6/28 08:30)
米アップルの最高デザイン責任者を務めるジョニー・アイブ氏が退社し、独立した新会社を始める。アップルは新会社の主要顧客の1社となる。アイブ氏の新会社ラブフロムは引き続き、アップルとプロジェクトで協力する。アイブ氏が英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで述べた。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は発表資料で、1996年から同社デザインチームを率いてきたアイブ氏について、「デザインの世界で非凡な人物であり、アップルの復活に果たした役割は、1998年の画期的なiMac(アイマック)からiPhone(アイフォーン)、本社アップルパークに至るまでどれだけ強調しても誇張にはならない」とコメント。アップルが独占的プロジェクトでアイブ氏と直接協力していく方針を示した。
アップルの株価は時間外取引で一時1%弱下落した。米株式市場での27日通常取引終値は199.74ドル。
ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は「アイブ氏は過去数十年間を通じてアップルで最重要人物の1人であっただけに、その退社で同社に穴が開く。かけがえのない人材であることは明らかだ」と述べ、「アップルと投資家にとっては多少ショッキングなことだが、アイブ氏はクック氏率いる同社と引き続き緊密に連携していくため、われわれは過度に心配してはいない」とリポートに記した。
アイブ氏は共同創業者スティーブ・ジョブズ氏が経営破綻の瀬戸際にあったアップルに復帰する前の1996年からアップルのデザインチームを率いていた。98年のデスクトップ型パソコン「iMac(アイマック)」や2001年の「iPod(アイポッド)」、2010年の「iPad(アイパッド)」など過去20年にアイブ氏がデザインを手掛けた製品は、アップルの成長に大きく貢献した。
アップルによると、アイブ氏の後任には、同社の既存のデザイナーが就任する。工業デザイン担当バイスプレジデントのエバンス・ハンキー氏とヒューマン・インターフェース・デザインのバイスプレジデント、アラン・ダイ氏は、ジェフ・ウィリアムズ最高執行責任者(COO)の直属となるという。(ブルームバーグ)
(2019/6/28 08:30)