[ ICT ]
(2019/7/25 05:00)
【ニューヨーク=時事】米交流サイト最大手フェイスブック(FB)の個人情報流出問題で、米連邦取引委員会(FTC)は24日、同社が50億ドル(約5400億円)の制裁金を支払うことで和解すると発表した。プライバシーに関するFTCの制裁金としては過去最高額。個人情報の取り扱いをめぐる新たな制限措置も課すとしている。
米証券取引委員会(SEC)も同日、利用者情報が悪用されるリスクの開示が不十分だったとして、FBに1億ドルの制裁金支払いを命じた。
FTCの発表によると、FTCはFBに対し、利用者の個人情報に関する意思決定の透明性向上を図るため、取締役会に第三者から成る「プライバシー委員会」を設置するよう命令。また、委員会の承認を得て指名された複数の監査人が、四半期ごとに命令の順守状況をFTCに報告することを義務付ける。こうした措置を通じ、創業者として大きな影響力を持つザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の不当な干渉を防ぐとしている。
同CEOはFTCの発表を受けて声明を出し、「こうした変化がわれわれの間違いを減らし、全ての人々により堅固なプライバシー保護をもたらすと信じている」と述べた。
FBをめぐっては、英選挙コンサルティング会社が最大8700万人の利用者情報を不正に取得し、2016年の米大統領選でトランプ陣営の選挙活動に使用した疑惑が浮上。利用者のプライバシー保護に関する12年の合意協定に違反した疑いでFTCが調査していた。
4-6月期、制裁金計上で49%減益
【シリコンバレー=時事】米交流サイト最大手フェイスブックが24日発表した2019年4-6月期決算によると、純利益は前年同期比49%減の26億1600万ドル(約2800億円)だった。米連邦取引委員会(FTC)との和解に基づく制裁金の費用として20億ドルを計上。2四半期連続で大幅減益となった。
売上高は28%増の168億8600万ドル。6月末の月間利用者数は24億1400万人と、1年間で8%増加した。ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「強力な個人情報保護の構築と利用者への新たな経験提供に投資していく」と語った。
(2019/7/25 05:00)