[ ICT ]
(2019/8/10 05:00)
米アップルは8日、悪意のあるハッカーよりも先に欠陥を発見できるよう、セキュリティー研究者に特別な「iPhone(アイフォーン)」を配布し始めることを明らかにした。
セキュリティー担当トップエンジニアのイバン・クリスティッチ氏がラスベガスで開催された毎年恒例のセキュリティー関連会議「ブラックハット」で、アップルのハードウエアとソフトウエア製品のセキュリティー対策に関して行った50分間のプレゼンテーションの終わりに発表した。同社は長年、同社システムのセキュリティーを製品の核心と位置付けてきた。
特別なアイフォーンは、いくつかのセキュリティー機能を無効化し研究者のより深いアクセスを可能にすると、クリスティッチ氏は発表後にブルームバーグ・ニュースに明らかにした。同プログラムは来年開始する予定。
アップルまた、セキュリティー上の欠陥を発見した人に賞金を出す「バグ報奨金」プログラムを「Mac(マック)」と「アップルTV」、「アップル・ウオッチ」、「iPad(アイパッド)」の基本ソフト(OS)に拡大することも明らかにした。同社は3年前に同様のプログラムをアイフォーンやアイパッド、「iPod(アイポッド)タッチ」用のOSである「iOS」とクラウドで開始。欠陥を見つけた人には最大20万ドル(約2100万円)を支払っていた。
同社はさらに、報奨金制度の対象を秋からより多くのセキュリティー研究者に拡大することも発表。報奨金のスケールも変更し、セキュリティー上の深刻な欠陥を見つけた場合は100万ドル、ユーザーデータの流出につながる欠陥を報告すれば50万ドルがそれぞれ支払われるという。(ブルームバーグ)
(2019/8/10 05:00)