[ 政治・経済 ]
(2019/8/18 05:00)
【ジャカルタ=時事】インドネシアのジョコ大統領は16日、国会で演説し、首都をカリマンタン島に移転させたいと表明した。「経済的な平等と正義を実現し、インドネシアを前進させるためだ」と説いたが、具体的な移転先は明かさなかった。
ジョコ大統領は演説で、「経済活動はいまだ首都ジャカルタと(首都のある)ジャワ島に集中し、人口も密集している。放置すれば島外との格差が拡大する一方だ」と語った。
インドネシアの主要な島では、独立を求める勢力と国軍が衝突しているパプア島を除き、カリマンタン島は人口密度が最も低い。また、地震と津波で、昨年3000人以上が死亡したスラウェシ島や、2004年に20万人超が犠牲となったスマトラ島と比べ、地震の被害を受けにくいとされる。
国家開発企画庁のバンバン長官によると、新首都には、政府や議会の施設、空港・港、病院、官舎などを建設。最大150万人の公務員を移住させる。21年に着工、24年の移転開始を目指す。
費用は330億ドル(約3兆5000億円)を見込むが、全てを政府資金でまかなう財政の余裕はなく、一部施設を民間の資金で建てる。ただ、民間の投資が目算通りに得られるかは不明だ。
首都移転は初代スカルノ大統領の時代から議論されてきたが、実現していない。ジョコ大統領は大統領選直後の4月、島外への首都移転を宣言。カリマンタン島を視察していた。
(2019/8/18 05:00)