[ ICT ]
(2019/8/20 05:00)
【ワシントン=時事】米商務省は19日、安全保障上の懸念を理由に米国企業による輸出を禁止する取引先のリストに、中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)の関連会社46社を追加した。ロス商務長官は「制裁を逃れるのは一層難しくなる」と禁輸の徹底を表明した。ロイター通信によると、ファーウェイは「不当な扱いだ」と強く反発する声明を出した。
一方、同省は、米国内の利用者に悪影響が及ぶのを避けるため、通信ネットワークの保守などに関わる分野に限定して取引を認める猶予措置を11月中旬まで3カ月延長する方針も発表した。ロス長官は、FOXビジネスのインタビューで「混乱を避けるにはもう少し時間が必要だ」と説明。米国のファーウェイ離れを進めるための「一時的な対応」として強硬姿勢を崩さなかった。
トランプ大統領は6月末の米中首脳会談直後、ファーウェイと米企業との取引を「安保上の脅威がない場合」に限って認めると言及。世界で入手できる汎用(はんよう)品や、技術レベルが低い少量の半導体については禁輸を解く可能性を示唆していた。だが、ロス長官は「今回、特定の取引許可を与えるわけではない」と明言し、踏み込んだ制裁緩和を見送ることを明らかにした。
今回の制裁強化で、禁輸の対象となったファーウェイの関連会社は100社を超えた。ファーウェイは「政治的な意図に基づく判断だ」とし、一部の取引が引き続き認められても「不当に扱われている事実は変わらない」と非難。ファーウェイをめぐる米中対立がさらに激化するのは必至だ。
(2019/8/20 05:00)