[ ICT ]
(2019/8/25 05:00)
【ベルリン=時事】非人道的な兵器を規制する特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の締約国は22日未明、人工知能(AI)により自律的に人間を殺傷する兵器に関する初の国際指針で合意した。攻撃の判断に人間を関与させることが柱。ジュネーブでの政府専門家会合で採択した。
当初20-21日の予定だった会合は紛糾。軍事大国の米国やロシアが過度な規制に慎重な姿勢を示し、法的拘束力のある条約化に踏み込めなかった。AI兵器の全面禁止を求めるNGOからは「意欲的でない」と批判の声が上がった。来年から2年間、より具体的な内容を議論する。
こうした兵器は「自律型致死兵器システム(LAWS)」と呼ばれる。無人機などの利用が進む中、AI兵器が実用化されれば、殺傷の責任の所在が不明確になるといった懸念が大きい。このため指針には、攻撃判断の責任を人間や政府が負うことや、兵器使用時に国際人道法を順守することも盛り込まれた。
日本政府は、攻撃判断までAIが行う兵器は「開発しない」と明言。一方で、人口が減少する中、人間の関与を確保した上で、ヒューマンエラーの減少や省力化などにつながる技術の開発は推進していく方針だ。
(2019/8/25 05:00)