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[ 科学技術・大学 ]
(2019/9/8 05:00)
北海道大などの研究チームは、北海道むかわ町穂別地区の地層から発見された約7200万年前(白亜紀後期)の恐竜化石(通称・むかわ竜)が、新属新種に認定されたと発表した。研究チームは学名を、「日本の竜の神」の意味を持つ「カムイサウルス・ジャポニクス」と命名。論文は6日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
国内で発見された恐竜化石が新種と認められ、学名が付くのは8例目。研究チームの小林快次北大教授は「国内では一番状態が良い全身骨格で、日本を代表する恐竜だ」と説明。「カムイはアイヌの言葉から取っており、北海道の恐竜としてふさわしい名前だ」と述べた。
むかわ竜は、草食恐竜のハドロサウルス科の一種で、9歳以上の成体とみられ、体長は約8メートル。体重は4-5.3トンと推定された。研究チームが北米やアジアなどで見つかっている近縁の化石70種と骨の形態などを詳細に比較した結果、むかわ竜の背中にある突起状の骨が前方に傾いているなど固有の特徴が複数あり、新属新種であると分かった。
化石の第一発見者で、むかわ町在住の堀田良幸さん(69)は「私は化石の一部を発見しただけ。ここまでこられたのは小林教授の信念があってこそだ」とたたえた。
化石は2003年、約7200万年前の当時海だった地層から発見された。その後の発掘で、13年にハドロサウルス科恐竜の化石と判明。現在、全体の8割を超える骨が見つかっており、恐竜の全身骨格としては国内最大とされる。(時事)
(2019/9/8 05:00)