(2020/2/28 05:00)
海洋プラスチック問題が広く認識される中、リサイクル性に優れたアルミニウムは循環型社会の形成に貢献できる素材といえる。アルミニウム総合メーカーの日本軽金属グループは各事業を通じたCSRの取り組みに力を入れている。
同グループは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や日本アルミニウム協会と共同でアルミ車両の水平リサイクルに取り組んでいる。品質の劣化を伴うカスケードリサイクルに対し、水平リサイクルはスクラップを同品質の原料にリサイクルする仕組みだ。鉄道車両を解体し、回収したスクラップを分析、選別して鋳造することで水平リサイクルを実現している。
日本軽金属では自動車部品に使用される特殊合金スクラップのリサイクルを行っている。同社は静岡県の工場で製造した特殊合金を輸出し、タイのグループ会社で加工し、販売している。タイで発生するスクラップは積載効率が悪く、日本の工場に送り返す輸送コストの面で課題があった。そこでコンテナへの積載効率に優れた寸法のスラブに鋳造し、工場に循環するシステムを構築し、17年から運用している。
そのほか、日軽パネルシステム(東京都港区)では断熱パネルのノンフロン化を行った。製品製造時の環境対策だけでなく、廃棄時までを見据えた課題解決に意欲的だ。日本軽金属CSRグループの桑田吾積課長は「グループ会社ごとの方針をいかに融合させ、連携していくかが重要。バリューチェーン全体に貢献していきたい」と今後の展望を話した。
(2020/2/28 05:00)