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(2020/5/25 05:00)
世界に負けない「日本発」を
(総合1から続く) 臓器移植のドキュメンタリー番組を見たことが医療の世界に進んだきっかけです。手術に必要な医療機器を作れば、多くの人を救うことができますよね。昔から何かを作ることに興味がありました。2002年、東京大学理科一類に入学し、医療ロボットを研究していました。
06年のオリンパス入社後は、内視鏡を使った手術に用いる治療器具の開発に携わってきました。消化管のポリープを切り取る超小型ナイフのような器具を開発しています。医師の要望を基に、逆算して器具を設計するのは本当に難しい。その分、携わった製品が世に出て、学会発表で取り上げられた時はうれしいです。
今年から部下をまとめる立場になりました。今の仕事は子育てに似ていると思います。私は子どもが3人いますが、3人とも性格が違う。どうやって接すればよいか日々考えることが、部下への接し方にもつながっているような気がします。
今の職場はすごくアットホームです。産休や育休を終えて帰ってくるとなんだかホッとします。皆でわいわい言い合いながら仕事する環境がやっぱり好きです。そんな職場で働きながら、将来は日本発の、世界に負けない医療分野の製品を作りたいと思っています。
趣味は子どもと一緒にする工作です。この前はNHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」に出てくるような装置を作りました。「うまくいくか確かめながらちょっとずつ作るんだよ」なんて子どもに言いながら手を動かしていると、会社でも同じようなことを言ってるな、と思い出して笑ってしまいますね。(文=森下晃行、写真=高山基成)
◇オリンパス 技術開発部門処置具製品開発 課長代理 スーパーバイザー 松尾伸子(まつお・のぶこ)さん
(2020/5/25 05:00)