- トップ
- ひと カイシャ 交差点
- 記事詳細
(2022/1/17 05:00)
粉体研究、社外の人に教え請う
(総合1から続く)小学生の頃から理科の実験が好きで、特に化学系の基礎実験を楽しく感じていたことから、東京電機大学大学院で物質工学を専攻しました。大学院では相間移動触媒に関する有機合成を研究していました。就職活動時には「新しい原料を作りたい」と、原料メーカーを志望。日本化学工業は、出身地である東京・亀戸に昔から本社があり、身近に感じていたため、入社を決めました。
研究員は、既存事業と兼務で新製品の開発など研究テーマがあります。私はICチップの実装に用いる異方導電性接着剤(ACP)のグレード開発と、研究テーマとしてプリンテッドエレクトロニクス向けの光焼成用亜酸化銅のペースト化に取り組んでいます。
粉体製品の取り扱いが主力の弊社の中では、ACPは比較的新しい製品で、「粉体をペースト化する」知見はあまり多くありません。そのため新製品の開発では展示会やセミナーに参加して社外の方に教えを請い、知識を得ていました。光焼成用亜酸化銅ペーストは、印刷で電子回路を作る際の機能性インクの用途を想定していたため、印刷会社でインクの適切な粘度を聞いたこともありました。
産休・育休は3回取得しました。研究員として戻れる安心感があり、復帰もしやすかったです。光焼成用亜酸化銅ペーストはこの休暇を挟んで続けてきた、自分にとって初めての新製品なので、喜びもひとしおです。長期的には、粉体をペースト化する技術を横展開していきたいです。
今は子どもたちが眠ってからの夫との晩酌を息抜きの時間にしています。子育てが落ち着いてきたら、学生時代にやっていたバレーボールを「ママさんバレー」で再開したいです。(文=成田麻珠、写真=木本直行)
◇日本化学工業 研究開発本部回路材料研究部回路材料グループ 合川茉里(あいかわ・まり)さん
(2022/1/17 05:00)