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(2022/5/30 05:00)
給湯のことは“私にお任せ”
(総合1から続く) 化学式がパズルのようで面白く、液体を混ぜた時の反応を見るのが楽しくて学生時代は化学を勉強してきました。名古屋工業大学大学院の工学研究科では分析化学の研究室に入り、微少な血液量でもたんぱく質の濃度を効率的に測れる方法を研究しました。研究する過程で教授や先輩と相談しながら試行錯誤していく経験は今でも役立ちます。
今に至るきっかけは研究室の卒業生が就職先のリンナイについて会社説明に来てくれた時のことです。コンロのパンフレットを片手に「私はこの製品のこと全部分かるよ」と胸を張っていた姿に、憧れました。化学系の仕事にこだわりもなかったことでリンナイへの就職を決めました。
給湯器を開発する部署で海外向け製品の安全性や環境性能が求められる水準を満たしているか調べ、足りない時にはどうすれば満たせるかを考え、改良するのが私の仕事です。豪州向けを担当した時に、設定したお湯の温度に早く達するために制御条件を変えたりと苦難の連続が続いていたのが記憶に新しいです。
給湯器はガスと水をコントロールする難しい機械ですが、流量を変えた時の変化など細かい動きに奥深さがあるのが魅力的です。試験するときには安全確認を一つずつ丁寧にしています。いつか「給湯器のことなら私に任せて」と言えるようになるため、まずは試験のプロフェッショナルを目指して日々の仕事を頑張ります。
この春で入社5年目です。1年目は実習として営業や製造現場などほぼ全ての部署を経験しました。部署で開かれる勉強会や先輩方の丁寧な指導もあって働きやすいです。
休みの日にはミュージカルを家族や友人と見に行きます。自分のオンとオフもコントロールして理想の姿を目指します。(文・写真=名古屋・永原尚大)
◇リンナイ 開発本部第一商品開発部 温水機器試験室 中村友香(なかむら・ゆか)さん
(2022/5/30 05:00)