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(2023/8/7 05:00)
偶然の発見と好奇心を大切に
(総合1から続く)授業では理科の実験が好きで、同志社大学理工学部化学システム創成工学科に進みました。研究室では内径数百マイクロメートル(マイクロは100万分の1)程度の管路内での混相流について研究しました。就職活動は会社の雰囲気や人柄などを重視しました。偶然フルード工業を見つけて連絡をしたところ、形式的ではない手紙をもらったことに驚きました。説明会でも従業員の人柄の良さが印象に残りました。
2019年に入社し、営業部技術営業課に配属され、営業事務と実験を兼任していました。1年半後に、技術第三部で実験専任になりました。入社してしばらくは機械出身の他の社員と違って図面が引けないことなどが不安でした。代わりに大学で粉体工学や流体力学を学んだ経験を強みとして生かそうと思い、文献や論文を読んでいます。
実験ではセレンディピティ(偶然な発見)を意識しています。粉の物性を測る時に粉が入る容器を開けっ放しにしていたら、ふたが閉まらなくなったことがありました。上司に報告した結果、吸水性がある粒と分かり、機器選定に役立ちました。好奇心が大事だと再認識しました。
22年の「国際粉体工業展」で初めて展示会担当になりました。ポスターのデザインや動線、見せ方を一から考え直して工夫した結果、集客数が伸び、新製品の1カ月当たりの見積依頼件数が、展示会前と比較して約7倍になりました。現在は当社が初めて出展する「国際プラスチックフェア2023」に向けて、準備をしています。
小学生の頃から絵を描くことが好きで、今も休日に8時間くらい連続で絵を描くことがあります。趣味が高じて、仕事でもカタログ制作を任されるようになりました。(文・岡紗由美、写真・森住貴弘)
◇フルード工業 技術第三部 牟礼茉佑香(むれ・まゆか)さん
(2023/8/7 05:00)