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(2023/8/28 05:00)
プラス思考で人生楽しく
(総合1から続く)「温暖化で猛暑日が増え続ければ外出もままならない。なんとかしたい」。思い返せば中学校の時からそう考えていました。小学生から算数と理科は得意。エネルギー関係の道に進む決意をするまで時間はかかりませんでした。
進学したのは東京都市大学工学部(現理工学部)のエネルギー化学科。燃料電池の研究室があるのが決め手でした。ところが、研究室を選ぶ時点で担当教授が退官。あぜんとしました。気を取り直し、無機材料化学研究室の扉をたたき、窒化アルミニウムセラミックスを研究しました。理論立てて材料をつくり、想定通りの結果を得ることに魅了され、没頭。卒業後、その道に進むことも考えましたが、温室効果ガスの発生を抑える仕事をしたいとの思いは捨てられず、入社したのは三菱化工機。クリーンエネルギーに期待される水素関連事業を手がけるのが魅力でした。
現在携わるのは水素製造時に発生する二酸化炭素(CO2)の回収装置用吸着剤の選定と装置の構造開発です。難しい課題もありますが、チームの先輩がやさしく丁寧に教えてくれます。自らも常にすべて楽しいと思うようにしています。学生の時、ラクロス部のコーチに「どんな壁も乗り越えれば成長につながる。何でもプラスに考えた方が人生楽しい」と言われて以来、そう心がけています。
今後は回収したCO2を有効活用する開発にも携わりたい。必要な知識を身に付け、資格試験にも備えています。
リフレッシュは「もんじゃ焼き」を食べること。味が奥深く、それ以外には何も考えなくなるからです。自分でつくることもありますが、地元・横浜にお気に入りの店があります。こだわりがブレることはありません。(文=縄岡正英、写真=編集委員・木本直行)
◇三菱化工機 研究開発部 栗原美佳(くりはら・みか)さん
(2023/8/28 05:00)